メディア掲載
3月 10, 2014
Gengo APIにより開発者達は新市場参入と収益化が可能に
翻訳サービス会社、Gengoの共同設立者兼CTO、マット・ロメイン氏が、先日サンノゼで開催されたSaasベンダー向けの中小企業ウェブサミットでGengoの成功についてスピーチし、同社の世界的な認知度の上昇について話しました。機械ではなく実際の翻訳者により提供され、API を通してアクセスする言語翻訳サービスとして、Gengoはユニークなビジネスモデルを持っています。製品としてのAPI であると同時に、洗練されたビジネスプロセスを実行するために、そのAPIを使って人間によるワークフォース(労働人員)を採用しています。企業らがどのようにGengo APIを利用しているのかについて、ロメイン氏がProgrammableWebに語ってくれました。
スケーラビリティへの鍵:大量レベルでありながら良質維持
「APIを使う主要な理由のひとつは、簡単に大量のコンテンツを完了できる点です。」とロメイン氏は言います。
TripAdvisor、YouTubeなどの大手企業、さらにはVestiaire Collectiveのような電子商取引サイトの数々を顧客に抱えるGengoは、スケーラブルで正確かつ素早い翻訳サービスを24時間体制で提供する必要があります。「これは、たった数週間だけで何百万ワード(または、日本語や中国語など、原語によっては何百万文字)もの量になります。電子メールやDropboxを使ってコンテンツを巨大なExcelファイルで転送するよりも (翻訳エージェンシーを使うと大抵の場合がこの方法)、Vestiaireや TripAdvisorのようなサービス企業は自社システムと弊社のAPIの接続をプログラミングするのに数日を費やすだけで良いのです。」と彼は言いました。
「弊社の包括的なオンラインリソースにより、開発プロセスはとてもシンプルで簡単になります。インテグレーションが完了した時点で、例えばVestiaireの場合、同社はプログラム上、翻訳用のコンテンツを好きなだけ(多くも少なくも、同社の希望次第で)送信することができるのです。」とロメイン氏。「例えば、『プログラム上』というのは、『新しく翻訳したい製品説明文がある場合、自動的にGengoに送信すること』を意味する場合もあれば、『このボタンをクリックした時は、その時点である250,000件の説明文を一纏りとしてGengoに送信すること』を意味する場合もあります。」
ProgrammableWebで最近掲載した翻訳サービスの概要でも指摘したように、多くの企業が、Bingや Googleを通して入手できる翻訳よりももっと正確な翻訳を期待してGengoを利用し、顧客のためにさらに良質のユーザー体験を作り上げることを目指しています。
「Gengoのサービスは機械ではない実際の(人間の)翻訳者によって提供されています。」とロメイン氏は言います。「ですので、顧客の皆様は翻訳の質の違いに気づかれ、特にご利用の言語によってはその違いも顕著でGengoを使った場合の翻訳が大幅に良質であることに気づかれます。 たまに、私は開発者の皆様に、『弊社を機械のように扱っていただいても構いませんが、実は機械ではなくて生身の人間によって機能しているんですよ。』と言うことがあります。実際、翻訳に関しては、言語というものが持つ性質から、機械よりも人間の方が質の高い結果を生み出すことができるのです。人間が関与しているにも関わらず、弊社はクラウドソーシングの力により、プラットフォームをスケール調整することができ、ユーザーの皆様が一語から何百万語まであらゆる量の翻訳を短期間でリクエストすることが可能になります。」
エコシステムおよびコミュニティ開発のための翻訳
現在、Gengoは、顧客ベースでのエコシステムやコミュニティネットワークの開発に精通した企業の間で著しく成長しています。「特定コンテンツタイプの垂直型成長以上に、弊社のAPIを採用する特定ビジネスモデルの成長も増加が見られます。」とロメイン氏は言います。「バイヤーとセラー間の流動性増加から利益を得る企業が、弊社APIとのインテグレーションを行っています。というのも、コンテンツを翻訳することで、バイヤーとセラー両方のオーディエンスが増加するからです。」
「例えば、成長を続ける第三者アプリケーションエコシステム(例:『App Store』など)を持つハードウェアデバイスがあります。このデバイスメーカーは、Gengo APIと統合したことで、第三者開発者のコミュニティが翻訳をリクエストすることを可能にし、同社は最終的に新しい市場でのユーザー基盤を増大させることができます。これにより、第三者アプリ開発者は新しい地域のユーザーにアクセスでき、デバイスメーカーは新市場に参入することができ、ユーザーは母国語でお気に入りのアプリを体験できて大満足、となるわけです。
「弊社のもう1つの成長エリアは、多くのユーザー生成コンテンツ(UGC)を持つプラットフォームです。例えば、TripAdvisorのレビューなどがその1つです。前述のデバイスメーカーの例はどちらかと言うとEコマース(電子商取引)関連といえますが、一方で、弊社をご利用いただいている企業の中には、閲覧者増大のためにコミュニティ生成の文字コンテンツに頼るサービス企業の数も増えています。上のデバイスメーカーと同じく、これらUGCプラットフォームは流動性―つまり『提出者』や『閲覧者』― の増大から利益を得ます。ですので、Gengo APIを使って新しい市場へ拡大することは、コンテンツとオーディエンス両方の増大を意味するわけです。これはすべてが翻訳されなければいけないということではありません: 多くの場合、新しい地域に翻訳を使って参入することで、コミュニティの開始へとつなげることができるのです。」
遠隔地のワークフォースをアクティブ化するAPIビジネスモデル
遠隔地のワークフォース(労働人員)アクセスを得るためにAPIを使おうと考えている企業にとって、Gengoは注目すべき市場リーダーです。ProgrammableWebでは、過去にもFancy HandsやAmazonのMechanical Turk、そしてコピー編集サービスWordyなど、人間ワークフォースへのアクセスを可能にするその他APIについて報告しました。より多くの新興企業がクラウドソーシングとマイクロエンプロイメントを利用してグローバルな市場でのサービス配信(APIを通して)を画策する方法を探っている中、このユニークなAPIビジネスモデルはさらに成長を続けていくことでしょう。
「人間の集まりを抱えたAPIという考えは、数年くらい前から存在しています。Gengoはただ翻訳に注目しただけです。」とロメイン氏は言います。「人間により運営されるAPIサービスの一番難しい点は、クオリティの維持です。弊社では、翻訳者の作品の監視や改善に対して社内での解決方法も用意してはいますが、同時に文脈上の情報を提供することもとても重要だということを学びました。Gengo APIでは、お客様に追加で文脈に関する情報をリクエストするためのサポートを提供したり、その情報を翻訳するデータに添えて提出することでクオリティ維持を目指しています。私の個人的な意見ですが、APIレベルで強固なサポートシステムを確立して質問のやり取りを可能にする方法を提供することが、人力によるAPIを取り扱う上で重要なレッスンとなると思います。」
収益化の機会
新規の収益機会を得るためにGengo APIを自社モデルに統合している開発業者の数が増えているとロメイン氏は言います。「Gengo APIの統合に際して、収益化へのアプローチには基本的に二つの方法があることに気がつきました。一つ目のアプローチは、その統合とは別に、直接の収益源を求める方法です。例えば、TransifexやPhrase Stringsの2社は、ウェブサイトやアプリケーションのローカライゼーション管理を簡素化するサービスです。両社ともにGengo APIと統合済みで、弊社のAPI価格に加え、自らの顧客の皆様にも1セントか2セントを請求します。これにより、両社にとって新しく直接的な収益源が作り出されるわけです。」
「もう1つのアプローチは、もっと間接的です。Zendeskのようなサービスはお客様が異なる言語で届いたサポートチケットに返信できるように、プラグインをもっています。Zendeskのお客様は翻訳に対して支払う必要があるものの、Zendeskは追加のマージンを請求することはありません。ですから、翻訳が「価値追加」の機能となるわけです。
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