アイディーテンジャパンは「ブランド戦略でビジネスを加速させる」をコンセプトに事業を展開。2013年1月10日には、日本のファンを世界中に増やす多言語ソーシャルメディア JAPANPAGE.NET(東京都の助成対象事業として採択)を公開しています。

Gengo APIの活用状況について、アイディーテンジャパン株式会社 代表取締役 澤田且成氏にお話を伺いました。

- アイディーテンジャパンと澤田社長について教えてください。

世界中の日本マニアが集まるプラットフォーム JAPANPAGE

私は大阪府堺市の生まれです。東京・フィリピン・オランダで学んだのち、市場調査会社に勤務。4年間で32カ国で調査を実施しました。その後、世界的なブランディング企業でプランナーを経験。カナダ・中国での生活を経て、2008年10月にアイディーテンジャパンを設立しました。

アイディーテンジャパンは「ブランド戦略でビジネスを加速させる」をコンセプトに事業を行っています。具体的には、ブランド戦略のアプローチで企業・事業・商品・サービスの魅力を引き出し、消費者や社員に伝わる力を強くすることでビジネスを加速させるための調査・戦略立案・ネーミング・デザイン制作・社内研修を展開しています。

2010年8月には、ブランディングのアプローチで日本のファンを世界中に増やすことを目指す「Japan Brand Project」を起案し、東京都より経営革新計画企業(22産労商支第505号)として認定されました。

そして2011年8月には、Japan Brand Projectの一環として“日本発のカルチャー”に興味のある外国人とクールジャパン/インバウンド業界・自治体・観光団体がダイレクトにつながる多言語ソーシャルメディアを構築し、外国人ダイレクトマーケティング事業の強化を図ることをテーマとする「JAPANPAGEプロジェクト」が東京都の地域資源活用イノベーション創出助成事業(地域中小企業応援ファンド)に採択されました。

JAPANPAGEプロジェクトは東京都の承認を得て、2013年1月10日に多言語ソーシャルメディア「JAPANPAGE.NET」を公開しています。

- JAPANPAGE.NET について教えてください。

JAPANPAGE.NETは、日本の魅力を多言語(日本語・英語・中文簡体・中文繁体・韓国語)で配信。日本大好き外国人が集まり交流できる多言語ソーシャルメディアです。一方で、外国人に対して情報発信をしたい、あるいは製品の販売をしたい企業に対しては、そこに集まっている外国人と直接交流できる場としてJAPANPAGE.NETの活用をご提案しています。

JAPANPAGE.NETでは、個人の属性に合った関連コンテンツ表示機能やランキングシステムを搭載することで、

  1.    1.  多言語ブランディングサイトの運営
  2.    2.  低予算でのテストマーケティング
  3.    3.  ターゲット顧客へのダイレクトな告知

を可能とし、その結果、日本ファンの外国人を増やし、日本発の文化産業市場の拡大や訪日旅行者数の増加につなげていきたいと考えています。

 - 今回、Gengoでは、JAPANPAGE.NETのコンテンツの日本語から英語・中文簡体・中文繁体・韓国語への翻訳を担当させていただいています。Gengoをご利用いただく前、翻訳はどの様に対応されていたのでしょうか。

世界中の日本マニアが集まるプラットフォーム JAPANPAGE

翻訳会社に依頼していました。依頼先は、契約書の翻訳まで行える体制を持っている所で、丁寧かつ高品質な翻訳を行ってくれます。JAPANPAGE.NETのコンテンツ翻訳に際しては、この翻訳会社にも相談しましたが、その翻訳料の見積りはJAPANPAGEプロジェクトが持つ予算でカバーできるものではなかったのです。

翻訳料金を安くあげるために、留学生に依頼するという方法もあります。しかし、私も留学していたからよくわかるのですが、留学生はライターでも翻訳者でもありません。気の利いたコメントぐらいであれば何とかなっても、ストーリーを大事にしたいと考えている私たちの望むレベルの翻訳は難しいと考えました。

なぜ私たちがストーリーを大事にするのか。ブランドには必ずストーリーがあり、そのストーリーがワクワクさせたり、ときめかせたりしてくれるからです。これはブランディングのコンサルティングにフォーカスしてきたからこそ、よくわかる部分かもしれません。

「ストーリーを大切にしたい、でもコストは下げたい」と考えているときにインターネットの検索で発見したのがGengoでした。

- Gengoを利用してみようとお考えになった理由を教えてください。

Gengoを知って、私自身が必要としていることをそのままビジネスモデルにしたものだと感じました。仮にGengoというビジネスモデルがなかったなら私が作っていたかもしれません。

私がGengoに依頼した理由は、下記の通りです。

  1. 1.   Gengo APIの提供があること。
  2. 2.   世界中に、しかも、数千人規模の翻訳者ネットワークを有していること。
  3. 3.   翻訳の品質レベルを3段階から指定できること。
  4. 4.   クラウドソーシングであり、翻訳コストを抑えることができること。

- Gengo APIの導入は最初から考えていたのですか。

経験上、APIは必要だと考えていました。

Gengoウェブサイトからの発注も実際に利用してみましたが、残念ながらこのスタイルは私が求めているものではありませんでした。なぜなら、JAPANPAGE.NETのコンテンツは、まず日本語で作成され、日本語の原稿ができあがります。その内容を承認した後、4言語に翻訳を行い、翻訳されたものを承認して、公開へと進みます。日本語+4言語一つひとつを翻訳へ依頼して、できあがったものを承認するというプロセスはとても煩雑で効率的ではありません。ましてや、翻訳されたものをコピー&ペーストで貼り付ける作業を行うと、ミスが起こる原因になりますし、わからない言語の改行、あるいは文字化けには対処できません。

アイディーテンジャパンのホームページはバックエンドのCMSに中国語とアラビア語を用意してあります。その際の翻訳は以前からお願いしている翻訳会社に依頼しました。中国語は住んでいたので多少わかるとしても、アラビア語の場合、改行はどこが正しいのか、まったくわかりません。もちろん文字化けしていてもわからないのです。そのときは、追加料金をお支払いして改行と文字化けのチェックを依頼しました。

最終的には毎日何本ものコンテンツがJAPANPAGE.NETに公開されるようになります。ですから、翻訳されたものが正しく改行されていて、文字化けのチェックもされている状態であることが必要でした。

そんなとき、GengoからJAPANPAGE.NETのCMSとGengo APIの連動を提案されたのです。

- Gengo APIを導入されて、どのような使い方をしているのですか。

日本語で制作された原稿を確定した後、APIを通して4言語への翻訳を依頼しています。その際は「翻訳」ボタンを押せば、Gengoに対して、ひとつの原稿から4言語同時に翻訳を依頼できるようにしました。そして、翻訳依頼が済んでいるのか、翻訳が上がってきたのかを管理できるようにも作ってあります。

Gengoには、「4言語とも日本の事情を知っている翻訳者で、ある一定レベル以上の方に依頼したい」ということ、そして先にお話した「改行や文字化けなどがチェックされた状態で翻訳してほしい」とお願いしています。翻訳されたコンテンツはCMSと連動して、そのままJAPANPAGE.NETに掲載できるかたちになっています。

- Gengoの翻訳レベル、スピードについてはどのように評価されますか。

翻訳レベルについては、日本の事情を知っている翻訳者で、ある一定レベル以上の方に依頼したいというリクエストを出して、JAPANPAGE.NET用に特別チームを編成していただいています。ストーリーを大切にしたいという当社の思い、そして日本の“今”を反映した翻訳をしていただけていることは、コスト面も含め高く評価しています。

翻訳スピードについては、通常の翻訳スピードでご対応いただいています。JAPANPAGE.NETはニュースサイトではなく蓄積型のサイトですから、まったく問題ありません。

- JAPANPAGE.NETの今後の展開について教えてください。

1月10日にサイトを公開して、4月末~5月にかけてサイトのリニューアルを行います(※2013年6月現在公開中)。そこから個人会員の登録を開始していきますので、コンテンツ制作にもさらに注力していきます。また、個人会員に情報などを発信したい法人会員にもより多く参加を依頼していきます。

法人会員に対しては、APIを経由して翻訳サービスを提供することも計画しています。JAPANPAGE.NETと同等レベルの品質を持つ多言語対応の翻訳サービスが手軽に利用できることは、法人会員にとってもメリットがあると思います。また、契約書のようなより高度な翻訳・綿密なやり取りが必要な翻訳に関しては、以前からお願いしている翻訳会社にと考えており、必要とする翻訳レベル・コストなどにより棲み分けをきちんとできるよう計画しています。

- Gengoに対する期待、リクエストなどありましたらお聞かせください。

JAPANPAGE.NETが個人会員の募集を始めたなら、興味をお持ちの翻訳者の方たちにはぜひご登録いただきたいと考えています。同じコンテンツで5言語の展開ですから、勉強にもなるのではないでしょうか。

JAPANPAGE.NETは日本語を含む5言語から、例えばフランス語などを加え、さらに多言語化していく計画もありますので、その際はGengoの力をお借りしたいと考えています。今後ともよろしくお願いします。

アイディーテンジャパン様、本日はお忙しい中、
貴重なお話をありがとうございました。