メディア掲載
11月 27, 2013
〈東京スタートアップ・オフィスツアー〉翻訳スタートアップのGengoが予見する、クラウドソーシングの可能性
今年7月、東京に拠点を置く翻訳スタートアップの Gengo が、本社を渋谷に移転したのは記憶に新しい。今日、幸運なことに同社の CTO Matthew Romaine 氏が、我々を新オフィスのツアーに招待してくれ、最近のビジネスの動向についても語ってくれた。
これまでに Gengo は約9,000人の翻訳者を集めており、小売業者やエンタープライズユーザに35カ国語の翻訳サービスを提供している。同社の全社員45人のうち約30人は東京に居て、アメリカのオフィスには12人の社員が居る。彼らは〝ビデオ・ワームホール〟を使って、密接に連絡を取り合っている。[1] 私がオフィスを訪問したのは朝だったので、(時差の関係で、夕方になる)San Mateo の Gengo の社員と会話することもできた。リモートワーカーを活用するスタートアップにとっては、あたかも同じオフィスにいるかのように仕事する上で、大きな問題が生じないことは普通かもしれない。
THE BRIDGE(以下、TB): 最近の Gengo はどのような感じですか。
Matthew: 翻訳者の7〜8割はプロフェッショナルではないため、彼らには PDF や教材も提供していますが、彼らはバイリンガルで我々のテストを合格した人たちです。翻訳する上で時間を効率的に使う方法、新語の扱い方などの教材を提供しています。言葉は生き物で、常に変化しているからです。この種の教材を作成するチームも居て、彼らは翻訳者と共に、ある種のコミュニティを作り出しています。
TB: どのような人が Gengo の翻訳者として仕事しているのでしょうか。
Matthew: 新しい言葉を勉強している大学生から、時間に余裕のある引退したプロ翻訳者まで、さまざまです。
現在、我々のブログでは、顔を出してもいいという翻訳者を紹介する連載を展開しています。アフリカにも、中東にも、世界中に翻訳者がいます。(中略)今後、時間をかけて、我々の翻訳者達を紹介していきたいと思います。翻訳者は我々のプラットフォームにおいて要ですから、彼らには言うまでもなく重点を置いています。
TB: 最近の、大きな関心事は何でしょうか。
Matthew: 今年初めシリーズBラウンドの資金調達をしました。現在は Gengo の改善、チームの増員、売上の拡大に集中しています。この業界で、ビジネス機会が拡大していることをうれしく思っています。この業界の他社が資金調達に成功していることも喜ばしいことです。このビジネスへの消費者の認知を高め、その必要性を証明してくれるからです。
昨日、私はあるクラウドソーシング業界のイベントに参加しました。そのコンセプトやビジネスという点において、クラウドソーシングは社会に認知され始めました。Gengo はバーティカルの典型的な存在ですが、この分野には、Odesk、Freelance.com、ここ日本には、クラウドワークス、ランサーズ、リアルワールドが存在します。(中略)業界では一致団結し、政府官公庁に対してクラウドソーシングの利用事例を作ることを提案しようとしています。日本では前例の存在が重視されるからです。大企業にサクセスストーリーを披露できれば、クラウドソーシングが企業にどれほどのメリットをもたらすか、説明できるでしょう。
TB: ありがとうございました。
[1] ヨーロッパと中国に数名の社員がいる。
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