ウェブサイトのローカライズの方法: SEOへの影響は?

ウェブサイトをローカライズする方法は沢山ありますが、どの方法を利用するかで、GoogleやBingなどの人気検索エンジンへのクロールが違ってきます。異なる方法が存在する中で、どれが便利でSEOにも効果的なのでしょうか? よく利用される3つの方法について、そのメリットとデメリットを考えてみましょう。

従来のアプローチ

ウェブサイトをローカライズする際にもっともスタンダードなアプローチは、完全にローカライズされたウェブページを自社サーバーから提供することです。そのためには、サイト/アプリケーションに含まれる各用語について一対一のリストを維持し、ユーザーにページを提供する前に、それぞれに対応する翻訳を見つける必要があります。

メリット

  • ほとんどのフレームワークや言語に、このアプローチに対応したサポート機能がある
  • 全てのコンテンツをコントロールでき、コンテンツの送信は (外部のサーバーではなく) 自社サーバーだけからになる
  • 多くの翻訳管理サービスが、こうしたコンテンツを管理するためのツールを提供している (たとえば、Pootleや、GengoのパートナーであるPhraseAppCrowdinTransifexなど)
  • SEOが、あなたのサイトのソース言語のコンテンツに同様に機能する

デメリット

  • ローカリゼーションファイルへのコンテンツの抽出は、当初から行っていなければ難しい場合がある
  • コンテンツをエクスポートして翻訳管理システム (TMS) にインポートする作業に、時間がかかる可能性がある
  • ローカライズ工程をリリース前に組み入れる必要があるために、コードデプロイメントのペースが遅れる恐れがある

プロキシサーバーを利用したアプローチ

その他で、よく使われる方法にプロキシサーバーを利用したアプローチがあります。このアプローチでは、ローカライズされたコンテンツは全て、LSP (レイヤード・サービス・プロバイダ) またはTMSから、御社サイトからのリクエストに応じて提供されます。これは通常の場合、御社の側で異なる言語用にDNS (ドメイン・ネーム・システム) エントリをセットアップし、利用するサービスが各リクエストに対応できるようにすることを意味します。そうするとサービス側では、ソースコンテンツをモニターして更新事項がないかを確認し、必要な場合は新規翻訳を依頼して、新しいページを提供します。

メリット

  • DNSにアクセスできれば、誰でも簡単にセットアップできる
  • 翻訳したコンテンツを全て一ヵ所で保存できる
  • 各種更新にかかる手間がほとんどゼロ (または、ごくわずか)

デメリット

  • サイトのコンテンツが、ソース言語と同期していない場合もある
  • 利用サービスのアップタイムに影響されてしまう
  • ページが別ドメインから提供されるため、検索エンジンによってはコンテンツの順位付けで不利になる場合もある (注: これは、自社のプロキシを使用して、そこからページの翻訳依頼や翻訳ページの提供を行うことで回避できます。ただし、手続き全体がより複雑になるかもしれません)
  • どんな翻訳コンテンツの場合でも、レスポンスタイムを増やす必要がある
  • セッション管理が必要だったり、動的なコンテンツを大量に含んでいるアプリケーションの場合、やや重くて使いにくくなる場合もある

JavaScriptベースのアプローチ

また最近では、LocalizeJSWovn.ioTransifex Liveといったサービスが新しいアプローチを提供するようにもなっています。こうしたサービスでは、最初にサイトをインデックスすることにより、全ての翻訳可能コンテンツを自らの翻訳管理システムに抽出できます。サイトが読み込まれると、単一行のJavaScriptが翻訳依頼を非同期的に行い、DOM (Document Object Model) に含まれたソースコンテンツと入れ替えます。今までこの手法は、検索エンジンが翻訳されたコンテンツを一切参照していなかったということを示していました。しかし、GoogleのWebページのインデックス付け方式が最近変更されたことで、これが実行可能なソリューションとなりました。

メリット

  • ほとんど全てのサイトで、手軽に導入できる
  • 翻訳したコンテンツを全て一ヵ所で保存できる
  • 各種更新にかかる手間がほとんどゼロ (または、ごくわずか)
  • 同一ドメインからページを提供できる

デメリット

  • インデックス付けの前に、JavaScriptを実行するのはGoogleのみです。Yahoo!検索やBaidu、Microsoft Bingなどの人気検索エンジンは依然として翻訳をインデックス付けていません
  • サイトがレンダリングされる際、読み込み時間が多くかかる恐れがある
  • 利用サービス(ホスト側)のアップタイムに影響されてしまう

3つのアプローチを比較すると、フラットファイルを管理して同じサーバーからローカライズしたコンテンツを提供する伝統的なアプローチが、SEOに関して最も確実なメリットをもたらすことが分かります。Googleが最近、インデックス手法を変更したことで、もう少しシンプルなソリューションが登場する希望も出てきました。

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アダム エムズリー

The author

アダム エムズリー

テクニカル インテグレーション責任者。カナダ出身。日本でフリーランスのフルスタックデベロッパーとして活躍した後、Gengoに参画。Gengoの初社員として、長年、企業のAPI利用数の向上に貢献。趣味は天測航法、そして熱帯の島への旅行。


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