Webサイトを何語にローカライズすべきか?

Webサイトを外国語へローカライズすれば、その外国語を話す新たな顧客層を呼び込むチャンスを掴めます。さらに、既存のお客様に対しても、より良い体験を提供できます。英語を話す人は世界に15億人いますが、英語が第1言語なのはそのうち36千万人にすぎないので、それ以外の人は、実は自分の母語でWebサイトを見たいと思っている可能性があるのです。

Webサイトをどの言語へローカライズすべきかという話に入る前に、翻訳とローカライゼーションの違いを、はっきりさせておきましょう。翻訳は、文化やコミュニケーションのスタイルといったことも含むローカライゼーションの1部にすぎません。ローカライゼーションには、暦体系やメートル法、ヤード・ポンド法、通貨なども含まれますが、翻訳にはこうしたことは含まれません。新たなターゲットに届くようにWebサイトを拡張する際は、Webサイトを単に翻訳するのではなく、ローカライズして、ご自分のブランドをできるだけわかりやすく、正しく、新しいターゲット消費者層に伝えることが大切です。

では、どの言語へローカライズすべきなのでしょうか。以下のファクターが判断の参考になるでしょう。

1. 現在のWebサイトのトラフィック

Webサイト・プラットフォームの中には、WordPressのように、ネットワークを管理する解析ツールが組み込まれているものがあります。ご自身のWebサイトのプラットフォームにこのような機能がなかったり、もっと詳細な解析とパフォーマンス・メトリックがほしい場合は、Google アナリティクスなどのサードパーティのツールを使うこともできます。現在の読者がどこにいて、どの言語で(もしWebサイトをすでに複数の言語へローカライズしているのであれば)Webサイトを読んでいるかといった情報は、事業の成長戦略を練る上で貴重な示唆を与えてくれます。

 

2. 基準となる競合他社

競合他社のWebサイトを訪問し、他の言語へローカライズされているかどうか調べれば、その企業の事業の方向性についてなんらかの洞察が得られるかもしれません。そして、どうすれば効果的に競争できるかを判断できるでしょう。ご自身のWebサイトを、競合他社のものと同じ言語へローカライズすることに決めるかもしれませんし、新たなターゲット消費者層のより大きなシェアを手に入れる可能性を睨んで、違う言語へローカライズすることになるかもしれません。

 

3. ターゲット市場

これが恐らく、Webサイトをどの言語へローカライズすべきかを決める際の最大のファクターになるでしょう。

まずすべきは、ターゲット市場を見極めることです。あなたの製品に対して最も需要があるのは、どの国々でしょうか。その国の見込み客は、現時代のデジタルマーケティングに反応するでしょうか。より広い観点から見て、現在どの国が全般的に最も購買力があり、最大のEコマース市場を持っているかや、どの国の購買力や市場規模が大きく成長しそうかを考慮することもできます。

ローカライズ、ターゲット市場

ご自身の会社が、ある外国へ事業を拡張する計画を立てているとしたら、どうでしょうか。もしまだその国の文化的慣行を調べていないのであれば、早速調べて、その国の言葉でカスタマーサポートを提供したり、外国の住所へ製品を送ったりする準備が整っているかどうか検討するといいでしょう。

そのほかに考慮しなければならないのは、関税、内国税、外国政府による制限事項などです。たとえば、商品やサービスを製造する許諾技術について定めた技術移転契約に関するEUは、能動的販売 (active sale) については一定の制限を設けているものの、受動的販売 (passive sale) については制限を設けていません。能動的販売では、営業担当者が個々の顧客に積極的にアプローチしますが、受動的販売では、営業担当者は個々の顧客の一方的な要求に応えるのみであり、外国の顧客に商品やサービスを届ける場合も、これに含まれます。インターネット販売は、この法律のもとでは通常は受動的販売と見なされますが、Webサイトの言語とデザインが特定の顧客層を対象に作られていれば、能動的販売に見えるようになる可能性があります。

 

4. デザイン

Webサイトを別の言語にローカライズすると、デザイン全般に影響を及ぼす場合があるので、ご自身の会社のエンジニアで対応できるかどうか、Webデザインを外注できるかどうか、確認する必要があります。

アラビア語やヘブライ語のような言語は右から左へ書くので、文章を入れるためにWebサイトのデザインをやり直す必要が出てくるかもしれません。また、中国語、日本語、韓国語などの文字を使用する言語では、アルファベットを用いる言語よりも、同じ文章の内容を伝える際に、一般的に文字数が少なくなります。元の言語と目標言語の組み合わせによっては、翻訳された文章は元の文章よりも、かなり長くなったり短くなったりする可能性があるのです。例えば、Gengoの翻訳者が執筆した、言語の進化に関するこの記事は、英語では501語で3,206文字ですが、日本語に翻訳すると1,501文字しかありませんでした。

ローカライゼーションには翻訳だけでなく、コミュニケーションスタイルや文化も含まれます。あなたのターゲット市場では、どのようなWebデザインが好まれますか? ブランドイメージとバランスの取れたビジュアルデザインにローカライズすることが大切です。多くの日本人は楽天のお買い物パンダLINEキャラクターなどの「ゆるキャラ」が好きですが、欧米諸国の人々はやや目障りと感じるかもしれません。また、日本のWebデザインは欧米人が見慣れたWebデザインよりも遙かに雑然としている傾向があります。これはリスクを嫌う文化によるもので、日本人は通常、購入を決める前に、製品についてできるだけ詳しく知りたがるからという理由もありますスターバックス コーヒー ジャパンのホームページを、英語のホームページと較べてみてください。

ローカライズ、デザイン

5. インターネットで最も多く使われている言語

ご自身のWebサイトをどの言語へローカライズするかを決める際の決定要因には、多分ならないでしょうが、インターネットでよく使われている言語を考慮してみるのもいいでしょう。一番よく使われているのは当然英語で、そのあとにドイツ語、ロシア語、スペイン語、フランス語、日本語と続きます。Webサイトを、こうしたよく使われている言語へローカライズすれば、ご自身のビジネスをグローバルで多様性に富むブランドとして宣伝でき、新たな顧客にポジティブな第一印象を与えることができます。それと同時に、自分の言語に対応していないという不満を抱いた人々から、ネガティブな評価をされる危険を減らすことができます。

 

6. コスト

実際の翻訳にかかるコストは、内容の専門性、元の言語とターゲット言語、語数、資格を有する翻訳者の数、翻訳者の拠点といった様々な要因によって変わってきます。英語とスペイン語のような一般的な言語は、資格を有する翻訳者の数が多いため、翻訳料が最も安くなりがちです。一方、アフリカの言語は、その言語を話せる人がそもそも非常に少なく、資格を有する翻訳者となるとさらに少ないことから、翻訳料は高くなりがちです。翻訳者がどこで暮らしているかということも、翻訳料に影響を与えます。生活費が高い国で暮らしている翻訳者は通常、高い翻訳料を請求するからです。ノルウェー語、スウェーデン語、アイスランド語、フィンランド語、韓国語は、その国の生活費の高さから、最も翻訳料が高い言語になっています

Gengoの翻訳料金はわかりやすく、低価格で、翻訳を要する文章の量とコンテンツに基づいて計算されます。無料のお見積もりは、オンラインの注文フォームをご利用になるか、当社の営業チームまでお問い合わせください。

 

Gengoが選ばれる理由

Gengoはお客様の現在のWebサイト・メトリックに関する膨大なデータを統合し、どの言語へローカライズすべきか判断するお手伝いをします。そして、Webサイトのローカライズというお客様のプロジェクトを、様々な段階でサポートし続けます。Gengo21,000人を超える認定トランスレーターは、世界の主要タイムゾーンとほぼすべての国をカバーしているため、お客様がどのようなサポートを必要とされていても、柔軟にご対応できます。

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森川怜

The author

森川怜

東京生まれ。横浜、東京育ち、アメリカで留学経験あり。Gengoでコンテンツマーケティング・Web/SNSマーケティングを担当。人が好きで明るい性格。趣味は陸上、旅行、音楽を聴くこと。


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