翻訳の基本:翻訳 vs. ローカリゼーション
言語サービス業界ではいろいろな用語が使われていてわかりにくいことがよくあります。トランスクリエーションとはなんでしょうか。ローカライゼーションとは?この二つは同じものでしょうか。貴社に必要なのはどちらのサービスでしょうか。さらに事態を混乱させているのは、こういったコンセプトがよく数略語で表記されたり、言語サービスを提供する会社によって違う意味で使われたりすることです。
そこで、この業界でもっともよく使われる5つのコンセプトについてまとめてみました。
翻訳
(略して「t8n」)
トランスレーションとはある言語で書かれた文章や語句を別の言語で表現するプロセスを指します。文法や構文に注意しながら原文と同じ意味の内容がすべて忠実に表現されます。選ぶサービスのレベルや利用する翻訳技術によっては、訳文に文化的ニュアンスが考慮されなかったり、意訳を要するイディオムが直訳されてしまうこともあります。例えば、It’s not rocket scienceという言い回しは何かを理解することがさほど難しくないという意味でよく使われるイディオムですが、これを「ロケットの科学ではない」と直訳しても意味は正しく伝わりません。
ローカリゼーション
(略して「L10n」)
ローカライゼーションには翻訳作業も含まれますが、その目的はより広く、コンテンツ(や商品)がまるである特定市場に向けて特別に作成されたようにすることです。
日本語のウェブコンテンツを英語にする例を考えてみましょう。コンテンツの英訳はもちろんできますが、それに伴い考慮すべき点がいくつもあります。例えば、円の現地通貨への換算や住所・日付の表記方法をどうするか、対象市場の文化や消費者が好んで使うデバイスにしたがってウェブサイトのレイアウトを調整したり、語数や字数を変更する必要があるかなどで、こういった点は翻訳プロセスには必ずしも含まれません。
トランスクリエーション
トランスクリエーションとはクリエイティブトランスレーションとも呼ばれ、コピーライティングの一種です。伝えたいメッセージを対象市場に届けるために原文が大きく書きかえられることがあります。通常の翻訳と比べるとかなり費用がかかりますが、複数の対象市場に一貫したメッセージを完璧に伝えるには良い方法です。
グローバリゼーション
(略して「g11n」)
商品やサービスに関するグローバライゼーションとは、広範で戦略的なプロセスを指し、トランスレーションやローカライゼーションはその内の小さな要素にすぎません。グローバライゼーションとは市場調査や対象市場の選択から現地における業務上の諸要件を満たすことまで、企業が新規市場に参入する際に直面するあらゆる課題に対応するプロセスを指します。
インターナショナリゼーション
(略して「i18n」)
インターナショナライゼーションとは、商品やサービスを対象市場や対象言語に容易にローカライズできるようにする目的で行うプラニングと準備のプロセスを指す専門用語です。翻訳作業の前に行うべきもので、これには多くの場合、国際基準への準拠や複数言語に対応するための社内インフラの整備などが含まれます。
こういった用語に慣れて、海外展開の実現に一歩ずつ近づきましょう。
Gengoの人力翻訳プラットフォームで、グローバル展開しましょう。
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