Eコマース翻訳の費用対効果を向上するには
グローバル化は価値があるのでしょうか?
グローバル化に向けて翻訳する場合、翻訳における費用対効果を計測する必要があります。この場合、数多くの点を考慮する必要があり、たとえば、翻訳によってアクセス量が増えたか? 売り上げが増加したか? エンゲージメントや満足度のアップや、コスト削減につながったか? いかなる課題を改善したい場合でも、良い翻訳/ローカライゼーションのプログラムを構築することで、かかるコストやリソースを削減させながらクオリティも高めることが可能になります。
翻訳の費用対効果を改善するためにキーとなる3つの要素:
- クリーン(シンプルで分かりやすい)な原文で新たに出発
- ベースレポートの作成
- スマートなワークフロー、技術、ベンダーを
このプロセスは、企業やコンテンツの種類によって異なりますが、今回はEコマースコンテンツにフォーカスします。
クリーンな原文で新たに出発
一見、人 (プロのトランスレーター)に翻訳してもらう場合は、原文のクリーンさはそれほど重要でないように思えます。なぜなら、料金を払って翻訳を依頼しているわけですから。しかしコスト削減というのは、自社のライター、開発者、そしてデザイナーからはじまるのです。
SDLによると、グローバルなオーディエンスを対象にオーサリングすることで、ローカライゼーション費用対効果を15%引き上げることができるそうです。ライターにとっては、これはブランドやプロダクトラインのスタイルガイドを作成することを意味します。プロダクトで異なる層やライフスタイルをターゲットにしている場合は、それぞれのメッセージングをガイド内で明確に定義しましょう。専門用語は避け、シンプルに書きます。コンテンツすべてにおいて単語やフレーズを統一させる翻訳メモリを使用する場合は、プロダクト名や機能説明において一貫性を保つことが必須です。
専門的なトランスレーターが必要なコンテンツでも、専門用語や形式張ったテクニカルな文章が無ければ、専門家に頼る必要もないかもしれない。しかし、人の命に関わるような、安全性に関する事項が含まれているコンテンツはオススメできません。プロダクト説明の場合、少しくらい簡素化することは大抵の可能です。それでも、重要な詳細や仕様を含む場合は、用語集を作成すれば、よりリーズナブルで専門性を問わない翻訳サービスを使用することが可能になります。
デザインや制作では、画像内に含む文章が多いほど、コンテンツのローカライズ工程での作業が増えてしまいます。同様に、ウェブサイトを作成したりサイトのコンテンツ管理システム (CMS) を設定する際には、全言語のテキストストリングを簡単に編集できるようにしておきましょう。
シンプルで分かりやすい原文を書けば、より完成度の高い翻訳になります。時間をかけて、クリーンなライティング、コード化、デザインを行うことで、今後のコストとリソースをより節約できます。原文がシンプルなほど、簡単に早く翻訳できるようになり、よりリーズナブルに翻訳できるようになります。また、用語集やスタイルガイドを提供すれば、クオリティもさらに向上できます。
ベースレポートの作成
翻訳しても、そのパフォーマンスを追わなないと、それがどれほど価値があるものだったか把握するのが難しくなります。翻訳の影響力を、他の測定基準と同様に査定することができます。
キーパフォーマンス指標 (KPI) を活用すれば、どこをどれだけ改善できるかが分かり、以下のような重要な質問に答えられるようになります:
- ある市場に向けてコンテンツをローカライズしたら、売り上げがどれだけ増加するのか?
- どれくらいの新規顧客を獲得できるか?
- コストを削減して効率性を高め、目標到達するために、翻訳プロセスをどのように改善できるのか?
測定可能なパフォーマンス指標は沢山ありますので、当初は小規模に始めて大きめの目標を追い、KPIはシンプルに保ちましょう。あなたのビジネスの成長にとって何が1番重要でしょうか。ここで紹介しているKPIは、Eコマースに適したものですので、 別業種 (例えばメディア企業) の場合は、異なる指標を使用するほうが良い場合もあります。
インパクトKPIは、全体の企業目標に翻訳がどのように影響を与えるかを示します。これには次のようなものが含まれます:
- 売り上げ (vs. 翻訳コスト)
- コンバージョン率 (どれだけ多くの人が購入に至ったか)
- トラフィック/アクセス量 (国別、言語別、ソース別)
- 新規顧客数
- 市場占有率
翻訳KPIは、とくに翻訳に関してどこでコストを削減できるかを示します。これには次のようなものが含まれます:
- プロジェクトごとの利益
- 予定通りのプロジェクト開始率
- 翻訳済み1ワードあたりのコスト (経費を差し引いた後)
例えばEコマースにおいては、一連の商品リスティングを対象に機械翻訳を使った場合と人間による翻訳を使った場合とを比較しながらパフォーマンスを追跡したいかもしれません。新しく翻訳した文章を適用する前に、追跡したい分野でのそれまでのパフォーマンスの確認に十分時間を割きましょう。そうすれば、高品質の翻訳への投資にその価値があったのかどうかが簡単に把握できます(リスティング別に、コンバージョン率は上がったのか下がったのかを確認)。この確認は言語別、国/市場別など、他にも様々な要素別にも行えます。
パフォーマンスのベースを把握したら、目標達成に向けての実行計画の作成に様々な形で取り組むことができます。
対象ページ/コンテンツの過去のパフォーマンスを把握していないと、進捗状況は測定できません。翻訳においては以下の2セットのKPIを測定しましょう: 1) 翻訳によって影響を受ける目標、例えばアクセス量やコンバージョン率など、2) コストや効率性などの翻訳に特化した情報。言語別、国別、プロジェクト別などでも行うことをお忘れなく。
スマートなワークフロー、テクノロジー、ベンダーを
翻訳コストを削減し効率を改善することで、インパクトKPIのパフォーマンスを高め、さらにアクセス量、コンバージョン、売上を増加することができます。これは適切なツールや技術、サービス、ワークフローを使うことで実現が可能です:
- 適切なクオリティ: 異なるタイプのコンテンツを、異なるレベル の翻訳で翻訳することでコストを節約できます。例えば、サービス利用規約に翻訳コストをかけ、翻訳量の多い商品リスティングやユーザーレビューなどにはコストを抑える。
- 翻訳メモリ: 翻訳メモリは、より少ないワード/ユニット単価または無料で別の翻訳に再認識・再使用できる語句や文章を記憶してくれます。莫大な数の翻訳注文をするEコマースにとっては、これはコスト削減やトランスレーターの翻訳時間の節約につながる可能性があります。しかし、翻訳サービスがあなたのプロジェクトに、どれだけ翻訳メモリを利用しているかは、しっかり把握する必要があります。不適切な翻訳メモリを使用した場合、最終的にさらなる出費につながる恐れがあるからです。
- テクノロジー、ツール、ワークフロー: ニュースポータルやEコマースは、複数言語に翻訳された何千ものページを抱えている場合もあります。このようなレベルの複雑度になってくると、適切なコンテンツ管理システムや、Transifexのような翻訳管理システムは「あったら良いもの」ではなく「必要なもの」となってきます。ページに新コンテンツを挿入するプロセスなど、できるだけ多くのプロセスを自動化しましょう。コミュニケーションと各種通知を効率化し、不要なステップを取り除きましょう。
ワークフロー、テクノロジー、ベンダーのすべてを別々に追い、どれが期待通りに機能しているか、また改善できる部分があるかを把握しましょう。「トランスレーターとのコミュニケーションが素早く行われているか?」「インテグレーションにバグが多くないか?」「自動化できるものはあるか?」など、自問自答してみましょう。
これらの要素がすべて揃うことで、支払ったコストから最大限の利益を引き出すために必要なものがすべて揃っているという認識のもと、何百、何千というあらゆるタイプの記事やプロダクト、投稿を翻訳することが可能になるのです。
Eコマースを加速させるGengoの活用ガイド
または、お問い合わせ