Gengoの顔: Nick
ニックのトランスレーターへの道のりは、高校時代、日本語の勉強をはじめたのがきっかけでした。大学卒業後は札幌に住み、オーストラリア人のスキー愛好家のための不動産関係の書類を翻訳しているなかで日本語への愛を深めたそうです。現在サンフランシスコのベイエリア在住のニックは、サウサリート近郊で働き、法律関係の翻訳を中心にトランスレーターとして活躍しています。
幸運にも私たちは、ニックと対面で話をする機会がありました。コーヒーを飲みながらGengoについて、そして翻訳について話をしました。
何ヵ国語を話せますか? また、どのように学び、語学力を維持していますか?
日本語と英語です。日本語は高校時代に勉強しはじめ、それ以来ずっと続けています。ニュースを観たり、日本人の友人と時事問題について議論したりして日本語を維持しています。
トランスレーターになったきっかけは?
札幌に住んでいた頃、友人から、スキー用の山小屋を買いたいというオーストラリア人のために不動産契約書の翻訳をしないかと声をかけられたのがきっかけです。
翻訳をしていて、もっとも楽しい、難しいと思うことは?
1番楽しかったのはものすごく有名な方に読んでいただけるであろう文章を英語に訳したときでした。1番難しかったのは英文和訳を頼まれたときでした。日本語は母国語じゃないからと断ったのですが、依頼された方が「せめて挑戦してみて」とおっしゃられたので翻訳することになりました。結果は当然ながらあまりよくなかったのですが、いい勉強になったのでは思います。
トランスレーターになって得したことは
私は何かをばらばらに解体して、また組み立てていくことが本当に好きなんです。子供の頃、将来の夢を聞かれたときはいつも「建築家」と答えていました。当時は建築家のありとあらゆるものを組み立てていく能力に魅了されていたのですが、大人になるにつれて自分はそれを言葉でやるのが好きだということに気づきました。
翻訳といってもいろいろありますが、私は法律関係の文章が好きです。特に契約書、法的合意文書、開示文書。特許関係はあまり好きではありませんが。私は、ブランディングやローカリゼーションのサービスを提供するアジアのコンサルティング企業「ビートラックス」で働いているので、著作権に関する文書や一般的な実務翻訳のほかに、マーケティングや宣伝関係の仕事も多いです。
好きなときに、好きな場所で仕事ができるのもトランスレーターの大きな魅力ですね。
あなたのオフィスまたは仕事場の環境を教えてください。
私はノートパソコンで仕事をするので、カフェで仕事をすることが多いですね。私のお気に入りのカフェは、サンフランシスコの町が隅から隅まで一望できるところです。すばらしい眺めですよ。
あなたの経験や知識に基づいて、他の人におすすめしたい本や映画はありますか?
私は「ロスト・イン・トランスレーション」という映画が大好きなのですが、人に勧めるとしたら「ピンポン」のような日本のコメディーですね。日本的なユーモアがどのようなものかよくわかりますから。それからノーベル賞作家の大江健三郎の文章は本当に美しくて好きですね。時には論争を招くこともある作家ですが、大江さんの直接的な表現が好きです。
仕事中につまむお気に入りの「トランスレータースナック」は何ですか?
コーヒーをたくさん飲みますね。1日に10杯飲んでしまうこともあるほど。夜型なので、20時頃に取り掛かって朝の3時、4時まで翻訳していますね。日中ほかにもやることがある中、それを忘れて翻訳作業に集中するのは私にとってはものすごく難しいので。
今のところ、コーヒーの飲み過ぎによるひどい副作用はありません。
おすすめの翻訳ツールは?
Gengoのプラットフォームを使ってないときは「ワードファースト」を使っています。
生産性を向上するためのおすすめツールやサービスはありますか?
自分の一日の活動を管理するために 「ウェイ・オブ・ライフ」と「30/30」というアプリを使っています。忙しい日には、翻訳の時間、読書の時間、請求書の管理などの実務の時間を割くために、時間を区切って使うようにしています。基本的に自分がどのように時間を使ったかのログを取るようなことはせず、前もって計画を立てるようにしています。時間をうまく使うには1つのことに集中するのが大事だと思います。
トランスレーターとして仕事をはじめたばかりの人へのアドバイスは?
休暇を取りましょう! じっくり時間をかけて疲れを取る時間は必要だと思います。